ここ数日、急に暖かくなった影響で、霧が発生しました。
高松港周辺を含む、瀬戸内海は春~梅雨の時期に濃い霧が
多発します。風がなく穏やかな海上は真っ白な世界です。
操舵室からの視界もご覧の有様。真っ白です。
この日は船長の個人的評価で、10段階中7程度の霧の濃さ。
有効視界は約50m以下ってところでしょうか・・・。
濃さがひどい時には、有効視界が10m以下、
操船している自船の先端が見えないなんて事も(汗)
霧の濃度にもよりますが、視界が500m未満になると
高松港では「停船勧告」が発令されます。
この「停船勧告」、実は香川県高松港と岡山県宇野港の
2ヵ所だけが、日本全国の港の中で正式発令されています。
上記画像は 小豆島・土庄港 ですが、本来船が発着する
桟橋は、手前に見えてる船の向こう側、う~すらと
シルエットが見えてる場所です。距離で約50m程。
海上タクシーは「停船勧告」の縛りが無いので、濃霧の中
でも航行可能です。が、実際に船を出す海上タクシー業者は
少数派だと思います (;^ω^)
レーダー等の航行機器のスペックにもよりますが、
やはり経験と航行海域の知識がかなり重要です。
フェリーをはじめ、定期船がすべてストップしますから、
当然ながら物流もストップ。
島の港にあるコンビニもご覧の有様。
パンや弁当のコーナーは空っぽ。
お、何か残ってるとよく見ると枝豆163円。
お昼ご飯に枝豆だけってのはちょっと・・・。
そして定期船が一切動かないので、
何が何でも移動しなければいけない理由のある
お客さんから、電話がジャンジャンかかってきます。
濃霧の中も運航出来る船と、船長が限られているので、
依頼を受けきれずに、何件もの依頼をお断りさせて
頂く状態に。対応出来なかったお客様、ごめんなさい。
瀬戸内の霧は時間が経過すると、低い位置に溜まるのが特徴
島の山頂部だけひょっこり見えてます。
この状態で霧の高さが50~60m位でしょうか。濃縮状態に
なると、だいたい30m位の高さの濃い霧の層が出来ます。
その状態になった濃霧を、霧の晴れた場所から見ると、
大型船のマストだけが霧の層の上から見えてるなんて事も。
何にせよ、船乗りには頭の痛いシーズンの始まりです。
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